放射性物質汚染水の処理 - 凝集沈殿処理
放射性物質汚染水の処理には、ゼオライト、粉体水処理凝集剤を用いた凝集沈殿処理を提案しています。
水中の放射性物質の存在形態と凝集沈殿処理
水中の放射性物質(放射性セシウム、以下Cs)は、表に微細粒子表面に付着しているCsと溶存態Csの2通りが考えられます。
アステック東京が提案している、ゼオライト+無機凝集剤を用いた凝集沈殿処理では、両者を以下のように処理します。
1.微細粒子表面に付着しているCs
・・・微細粒子を凝集沈殿させます
2.溶存態Cs
・・・溶存態Csをゼオライトに吸着させ、そのゼオライトを凝集沈殿させます
ゼオライトを使用する場合
ゼオライトと各種無機凝集剤、高分子凝集剤を組み合わせ、凝集物を形成させ沈殿分離します。
ゼオライトを用いた凝集沈殿処理には、「ZEOメイト3000」が適しています。
1 汚染水の供給
2 前処理反応槽
3 凝集反応槽
汚染水を、電極式水位センサー付水中ポンプを使用し、供給します。
pH調整剤またはゼオライトを添加し、撹拌します。
凝集剤と高分子凝集剤を添加します。凝集反応槽内で撹拌し、凝集反応を進めます。
4 沈殿分離槽
5 袋式ろ過槽
6 汚泥濃縮槽
凝集反応槽で生成した凝集物を沈殿させ、上澄水と分離します。沈殿分離槽内の凝集・沈殿物は、返送汚泥として凝集槽へ返送されます。
沈殿分離槽で除去しきれなかった微細なピンフロックを除去します。
汚泥を濃縮します。
適用可能物質
・セシウム(Cs)
・ストロンチウム(St)
適用サイト
・除染現場
粉体水処理凝集剤を使用する場合
凝集物を生成させて沈殿分離します。
「ZEOメイト1000」は、粉体凝集剤供給フィーダーを備えており、粉体凝集剤の使用に最適です。
また、「ZEOメイト3000」にフィーダーを取り付けることも可能です。
1 汚染水の供給
2 凝集反応槽
3 沈殿分離槽
汚染水を、電極式水位センサー付水中ポンプを使用し、供給します。
汚染水供給ポンプの動作と連動し、粉体水処理凝集剤をフィーダーから汚染水へ添加します。凝集反応槽内で撹拌し、凝集反応を進めます。
凝集反応槽で生成した凝集物を沈殿させ、上澄水と分離します。沈殿分離槽内の凝集・沈殿物は、返送汚泥として凝集槽へ返送されます。
4 袋式ろ過機
沈殿分離槽で除去しきれなかった微細なピンフロックを除去します。
適用可能物質
・セシウム(Cs)
適用サイト
・除染現場
・移動しながらの除染作業
放射性物質汚染水処理の事例
【ZEOメイトによる除染排水の処理】
汚染水(除染排水) 処理水
Cs-134 | 2,300 Bq/kg |
Cs-137 | 3,800 Bq/kg |
ND |
ND |
汚泥
27,000 Bq/kg |
42,000 Bq/kg |
※測定方法:ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー
※「ND」は「検出せず」を表す(検出下限値:10Bq/kg)