重金属類汚染水の処理 - 凝集沈殿処理
浮遊懸濁物質(SS)が多い重金属類汚染水の処理には、凝集沈殿処理を行います。
凝集沈殿処理とは
水中で懸濁している浮遊物質は主にマイナスの電荷を帯びており、互いに反発しあい、水中に懸濁している状態にあります。そこに、プラスの電荷を持つ水処理剤を加えると電荷が中和され、粒子間に引力が働き塊状に集合します。
これを凝集と呼びます。
この凝集作用を用いて、水中で懸濁している粒子を沈澱分離する事で上澄水を得る方法が凝集沈殿法です。
アステック東京では、凝集助剤「Minelco」、粉体水処理凝集剤を使用した処理をご提案しています。
凝集助剤「Minelco」を使用する場合
Minelcoと各種無機凝集剤、高分子凝集剤を組み合わせ、凝集物を形成させ沈殿分離します。
1 汚染水
2 Minelco
3 PAC
汚染水を凝集反応槽(3槽ノッチタンク)に入れます。
固液比=1:10になるようにMinelcoと水を混合し、撹拌します。
凝集反応槽の1槽目にMinelcoを添加・撹拌します。
凝集反応槽の2槽目にPACを添加・撹拌します。
4 高分子凝集剤
5 沈殿分離槽
凝集反応槽から沈殿分離槽へ移送する配管内で高分子凝集剤を添加・混合します。
沈殿分離槽で沈殿物を沈殿分離し、上澄水は処理水として放流します。沈殿物は汚泥として処理します。
適用可能物質
・砒素(As)
・鉛(Pb)
・六価クロム(Cr6+)
・シアン(CN)
・フッ素(F)
・ホウ素(B)
・カドミウム(Cd)
・総水銀(Hg)
・セレン(Se)
・亜鉛(Zn)
・鉄(Fe)
・マンガン(Mn)
・アンチモン(Sb)
適用サイト
・メッキ工場跡地
・塗料工場跡地
粉体水処理凝集剤を使用する場合
凝集物を生成させて沈殿分離します。
「ZEOメイト1000」は、粉体凝集剤供給フィーダーを備えており、粉体凝集剤の使用に最適です。
1 汚染水の供給
2 凝集反応槽
3 沈殿分離槽
汚染水を、電極式水位センサー付水中ポンプを使用し、供給します。
汚染水供給ポンプの動作と連動し、粉体水処理凝集剤をフィーダーから汚染水へ添加します。凝集反応槽内で撹拌し、凝集反応を進めます。
凝集反応槽で生成した凝集物を沈殿させ、上澄水と分離します。沈殿分離槽内の凝集・沈殿物は、返送汚泥として凝集槽へ返送されます。
4 袋式ろ過機
沈殿分離槽で除去しきれなかった微細なピンフロックを除去します。
適用可能物質
・砒素(As)
・鉛(Pb)
・六価クロム(Cr6+)
・シアン(CN)
・フッ素(F)
・ホウ素(B)
・カドミウム(Cd)
・総水銀(Hg)
・セレン(Se)
・亜鉛(Zn)
・鉄(Fe)
・マンガン(Mn)
・アンチモン(Sb)
適用サイト
・メッキ工場跡地
・塗料工場跡地
重金属汚染水処理の事例
【亜鉛メッキ工場跡地における汚染地下水対策工事】
汚染水 処理水
カドミウム | 0.37 mg/L |
鉛 | 1.0 mg/L |
< 0.001 mg/L |
< 0.005 mg/L |